十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

レトロかわいい十勝(6)「癒やしのレトロスポット~ふるカフェ編 のらくろ喫茶店、ミントカフェ、喫茶カナリア」

Chai編集室スタッフお気に入り! 癒やしのレトロスポット
 忙しい毎日を送るChai編集室スタッフのパワーの源は、古くてかわいいもの!?スタッフお気に入りのスポットへご案内。

ふるカフェ編 ずっきーin
のらくろ喫茶店
扉の向こうに流れる昭和時間

手前から手作りのソースが優しい味わいの〈ミートソース〉850円、開店当初からのオリジナル〈ブレンドコーヒー〉450円

〈メロンクリームソーダ〉550円。トップに載せたサクランボも、昔ながらでかわいらしい

のらくろが描かれた有田焼のカップは、今では手に入らない貴重品


 和装に興味があるけれどハードルが高いと感じる人には、洋服と和服を折衷した「和洋ミックス」の装いがお勧め。ずっきーが挑戦したのは、柄シャツの上に祖母の着物を羽織り、赤いベレー帽を合わせた「クリームソーダ風コーデ」。レトロなファッションに着替えたら、その雰囲気に合う場所へ出掛けたくなる。

 訪れたのは昭和55(1980)年に開店した、のらくろ喫茶店。店主の故西口常光さんが「覚えやすく、成功しそうな店名を」との思いから、人気漫画のキャラクターにちなんで名付けた。昭和の面影を残す店内で、食器やコーヒーチケットに描かれた、のらくろを探すのも楽しい。

 店を切り盛りするのは、妻の幸子さんと娘の山田朱美さん。丁寧に入れるコーヒーと手作りのメニューでもてなしてくれる。心地よい雰囲気の中では自然と気持ちがゆっくり、のんびり。わざわざ遠出しなくても、非日常は身近にある。

カウンター越しに飾ってあるのは、スペイン産の陶器の人形・リヤドロ

同店で制作したオリジナルのステッカーやマッチ

外の看板にものらくろがいっぱい


帯広市公園東町3丁目2-2
Tel:0155・22・5536
営:9時~18時
休:土曜



作家の作品が随所に展示され、見ているだけでも楽しい。中央のテーブルには作品展やイベントなどたくさんのフライヤーが並ぶ


GALLERY+SAKAN ミントカフェ
芸術に触れてアーティスト気分
 コーヒーの焙煎(ばいせん)と抽出を行う大久保真さんと料理を担当する怜子さん。二人の元に十勝管内外から多様なジャンルのアーティストが集う。

 劇団演研の拠点「大通茶館」を引き継ぎ、ギャラリー「ガレリアオリザ」を併設したカフェを開いたのは2016年の冬。豊かな香りで存在を際立たせるミントのように、「それぞれの人が持つ輝きを応援する」という意味を店名に込めた。十勝在住の若手作家に発表の場を提供する「オリザ企画」から夢に向かって歩み始めた若者も多い。茶館時代と同様に、十勝の芸術発信基地として新たな歴史を刻んでいる。

〈クラシックザッハトルテ〉600円

1Fはカフェ&ギャラリー、2Fは劇団のアトリエ

店主の大久保夫婦。「大通茶館」は2人の思い出の場所


帯広市大通南6丁目14-1
Tel:0155・67・4039
営:11時~19時
休:月・火曜



〈カツミート〉850円、〈フルーツパフェ〉600円。パフェのクリームは軽い口当たりで「カナリアの生クリームに限っては食べられる」という人がいるほど好評


喫茶カナリア
行きつけにしたい喫茶店
 1979(昭和54)年創業のカナリア喫茶は、浦幌で長く愛される店の一つ。温かく出迎えてくれる店主の須藤尚子さんと話していると時間を忘れて長居してしまう。

 〈コーヒー〉430円〜や〈ホットケーキ〉500円などの軽食に加え、〈焼きスパハンバーグ〉850円などボリューム満点なメニューも豊富。夫・富康さんが毎日手打ちするそばも高い人気を博す。「たくさんあるメニューの中から選べる方が楽しいと思うの」と須藤さんの優しさが光る。

 22時まで営業しているため、昼はガッツリランチでおなかを満たし、夜は仕事終わりにビールを飲みにくる常連も多い。

駅前から拠点を移して32年。「地元の人に支えられているから、長く続けたい」と須藤さん


浦幌町幸町48
Tel:015・576・2176
営:11時~22時※日曜、祝日は~18時30分(LO)
休:不定

※フリーマガジン「Chai」2024年11月号より。
※撮影/辻博希、清田千裕。写真の無断転用は禁じます。