十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

レトロかわいい十勝(5)「レトロ談議がとまらない!~座間ゆかりさん×儀間芙沙子さん、土屋加代子さん×朝日直美さん」

 古物をこよなく愛する女性たちが、「レトロ」をテーマにおしゃべり。積もり積もったレトロ愛があふれ出す―。

足寄へ移住した2人の女店主
座間ゆかりさん×儀間芙沙子さん

儀間さん(以下「儀」) 私の古道具屋では一般の家から引き取ったりするから、さまざまな地域のものが集まってくるの。調べていくとその地域の特色や時代のことが分かって、古物って面白いな〜と思う

座間さん(以下「座」) 儀間さんのお店は、器や工芸品がそろっていてずっと居ても飽きない!私も店を始める時に駅舎を生かして、振り子時計を置きたいと思っていたの。棚や机も年代物を集めたくて古道具屋うさぎにお邪魔して。作られた時代に生きてはいないけど、こんなものがあったんだな〜と何だか懐かしい気持ちになった!

 選ぶ時のポイントはあるの?

 雰囲気だよね(笑)。派手な色合いや、斬新なデザインとか、とにかく愛らしい商品が多くて迷う!

 今日、何点か店の品を持ってきたんだけど、100年前のお皿とかすごくない!?

 昔のものって作り込まれているし、丈夫だったりする。今って大量生産で均一的な物が多いから、生活に古物を取り入れたら彩りが出るよね

 まだまだ眠っているお宝がたくさんあって、積極的に日常に取り入れていきたいね。古い物を愛でることは、サステナブルな時代に合ってると思う!

(左)座間ゆかりさん(右)儀間芙沙子さん


<座間ゆかりさん>
珈琲座間屋の店主。陶芸家としての顔を持つ。移住を考えていた際に、当時足寄の移住サポートセンターで働いていた儀間さんに出会い、移住を決意。着物での接客が定着して、客から着物を譲り受けることが多くなったという

<儀間芙沙子さん>
古道具屋うさぎ(足寄町旭町4)の店主。2017年に夫婦で足寄に移住し、「Guest House ぎまんち」を営む。古道具屋うさぎでは、解体する家や蔵から出てきた古物を手頃な価格で購入できる。量がたくさんある古道具を新しい姿に変える「アップサイクル商品」も取り扱う

取材協力/珈琲座間屋(足寄町北1条1丁目3-1)
1月頃に珈琲座間屋にて「喫茶レトロ」を開く予定。詳しくは各店舗のインスタグラムをチェック




アンティーク着物好きの仲良し2人組
土屋加代子さん×朝日直美さん

土屋さん(以下「土」) その銘仙(※)、朝日さんに似合ってる!

朝日さん(以下「朝」) うれしい!今日初めて着る着物なんです。加代子さんの着物もシックですてきですね

 いつも互いの服装を見ながら、「かわいい」と言い続けているのよね(笑)。半襟や帯留めのコーディネートなど、話は尽きないの。朝日さんは開店当初から10年来のお付き合い

 てふてふでアンティーク着物にハマってからというもの、どんどんアイテムが増えてしまいました

 朝日さんの私物で、てふてふ2号店ができるかも?最近だと良い品はなかなか市場に出回らないから、アンティークの着物はまさに一期一会

 この言葉に弱い!「今日は見るだけ」と心に決めて訪れるのに、なぜか、気が付けば買っている…

 商売上手でしょ(笑)

 洋服では絶対に着ない色やデザインでも、着物だと挑戦できるのが魅力。加代子さんの助言も参考になります

 皆さんの個性に合った着物をお勧めしているだけなので、恐縮しちゃう。でも不思議なことに、着物は似合う人の所へ行くものなの

 そんないい話を聞いたら、また購入しちゃいそう!

※大正から昭和初期にかけて流行した平織りの絹着物。大胆なデザインが着物愛好家に人気

(左)朝日直美さん (右)土屋加代子さん


<朝日直美さん>
豊頃町在住。環境循環型の生活を提案する場・えらぶLab.(豊頃)スタッフ。てふてふがきっかけで着物のコレクションが趣味に。機織りや着物のリメイクが得意で、制作した和小物を地元のイベントなどに出品している

<土屋加代子さん>
アンティーク着物てふてふ(帯広市西14南29)の店主。古い着物を収集する趣味が高じ、56歳の誕生日を機に店をオープンさせた。簡単な着付けのアドバイスも好評。来店の予約はFacebookかTel:090・1524・1133へ

取材協力/salon齋藤亭(帯広市東3南14)

※フリーマガジン「Chai」2024年11月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。