Ｃｈａｉ法律相談（１８８）「車の賠償提示額に納得できない場合は」
先日、交通事故に遭いました。幸いけがはなかったのですが、乗っていた車は大きく壊れ、修理して乗り続けるのは不安です。そのため廃車にして同じ車種の中古車を買うことにしました。相手方の保険会社からは「全損の扱いで、車の時価額を賠償する」と言われましたが、提示された額は中古車の相場価格よりも安く、買い替えの諸費用もかかるので、納得できません。
【回答】
中古車価格情報を基に増額になることも。諸費用の多くは賠償されます。
保険会社が中古車の時価を算出する場合、オートガイド社が発行している「オートガイド自動車価格月報」（通称「レッドブック」）に掲載されている小売価格を基準にすることが多いです。そして裁判の実務においても、レッドブックの掲載額を基準にすることが一般的です。したがって市場価格がレッドブックより高額な場合でも、賠償額を増額してもらうハードルは高くなります。それでも、例えば中古車販売サイトで同じ車種・年式で走行距離が近い車の販売価格を複数調べるなど、実際に購入できる額の根拠を示して交渉することで、保険会社の提示額がアップすることもあります。またカーナビやホイールなど装備品の時価額も上乗せが可能です。
買い替えの諸費用は、廃車費用・登録費用・車庫証明費用・手続代行費用・納車費用・リサイクル料金・環境性能割などが賠償の対象となります。また消費税相当額も賠償されます。一方で自動車税や自賠責保険料は還付制度があるため対象外です。買い替えの際の見積書や領収書を確認しましょう。
今回の回答にご協力いただいたのは
［阪口剛 弁護士］
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