十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

Chai法律相談(177)「突然、過去の借金を払えという書面が届きました」

【質問】 
 知らない会社から突然封筒が届きました。開けてみると、高額のお金を払えという書面が入っていました。どうやら、20年以上前に消費者金融から借りて返せずに放置していた借金を、別の会社が引き継いで請求してきたようです。返さなかったお金は30万円なのに、請求額はなぜか150万円になっています。とりあえず、請求してきた会社に連絡したほうがいいでしょうか?

【回答】
絶対に連絡せず、速やかに弁護士に相談してください。

 借金は、一定期間支払わなければ、返さなくてよくなる場合があります。このような仕組みを「時効」といいます。多くのケースでは最終返済日から5年程度経過した後で、時効を利用する宣言「時効の援用」を行うことで、返済しなくてよい立場が確定します。

 今回のケースでは、時効の援用により、返済義務を免れる可能性があります。なお、時効期間を経過しても時効の援用ができないケースがあり、時効期間経過後に支払義務を認めてしまった場合がその一つです。例えば、請求してきた会社に連絡して「1万円ずつ分割で支払う」などと約束してしまった場合には、時効の援用ができない可能性が高いです。

 また、請求書面を放置し、その後に提起された訴訟も放置したようなケースでも時効の援用ができなくなるので、請求を放置することも避けるべきです。速やかに最寄りの弁護士に相談することをお勧めします。

今回の回答にご協力いただいたのは
[小宮政史 弁護士]

事務所/弁護士法人アディーレ法律事務所 帯広支店
    帯広市西2条南11丁目16-1(第3エーワンビル6F)
Tel:0155・28・6127


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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Chai法律相談
十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2023年9月号より。