十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

Chai法律相談(178)「家庭用太陽光発電の訪問販売。契約をやめた後の損害賠償は?」

【質問】 
 先日、訪問販売の業者と家庭用太陽光発電システムの購入・設置の契約をしました。改めて考えると、本当に必要な契約か自信がなくなり、工事着工前に業者に契約を止めたいと伝えました。この時点でクーリングオフ期間は過ぎていました。業者からは損害賠償として100万円を請求されています。自分の都合で契約を止めた以上、払わなければいけないでしょうか。

【回答】
請求額をそのまま支払う前に、一度相談を!

 今回のケースでは、クーリングオフ期間が過ぎています。しかしその場合でも、この契約は太陽光発電システムの購入・設置までを内容としており、設置工事が完了しない間は、相談者は自身の都合で、いつでも契約を解除することができます。ただし業者に発生する損害は賠償しなければなりません。

 問題は、この損害の範囲です。このケースでは、「訪問販売」により「家庭用太陽光発電システム」の購入・設置を内容とする契約をかわしたものの、「工事着工前」に契約を止めています。この場合、業者は損害賠償として「契約の締結及び履行のために通常要する費用の額」しか請求することができません。実際に似たようなケースで、契約書類の作成費用や収入印紙代の請求しか認めなかった裁判例があります。事実関係次第で結論が変わる可能性はありますが、まずは請求を受けた段階でそれに応じる必要があるかどうか、一度弁護士に相談しましょう。

今回の回答にご協力いただいたのは
[佐々木涼太 弁護士]

事務所/佐々木法律事務所
    帯広市西5条北3丁目11(広瀬ビルA号室)
Tel:0155・26・3265


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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Chai法律相談
十勝管内の弁護士が法的トラブルについて答えてくれるChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2023年10月号より。