十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

発育に重要「ジャンプ」~あのね、こどもはね(7)青木謙介氏

縄跳びで遊んでいる時に見られたさまざまな跳び方

 今年はオリ・パライヤーですね。私の愛媛時代のゼミの教え子の石山大輝選手(順大院)が、陸上競技の視覚障がい走り幅跳びで出場します。開会式ではパラ選手団の旗手を務めました。テレビで応援していただけるとうれしいです。

 今回はそんな走り幅跳びに通じるジャンプのお話。子どもってジャンプすることが大好きですよね。階段や公園の遊具からジャンプ。歩いているときに地面に模様があるタイルなどがあれば、色を決めてジャンプして歩く。時には横断歩道もジャンプしながら歩いて渡り、「危ないよ!」なんて注意することもあると思います。

 そんなジャンプは、体の発育に大切なんです。ジャンプは足だけではなく、体幹も使うため全身を鍛える運動に該当します。しかもジャンプは骨量を増やすための運動になります。

 海外の研究では、小学生が定期的なジャンプ運動を行うと骨密度が増えるという報告が数多くあります。ただし、負荷が重すぎると骨の成長に関係している骨端線(こったんせん)が閉じてしまい、骨の成長が止まってしまいます。子どもが遊びの中で行うジャンプ程度であれば、成長期のけがに結びつくことは少ないと思います。

 おすすめのジャンプ遊びは縄跳びです。縄跳びは値段が安く、たくさんのジャンプ運動ができます。ロープを回せない子は、置いてある縄を跳び越えたり、ヘビのように動かしているところを跳び越えたりしてください。

 ロープを回せるようになったら、どんどん楽しんで跳ぶようになってきます。幼児の縄跳びは高く跳ぶため、疲れて回数は少なめですが骨にとってはよい刺激になると思います。雨の日や冬場もガレージなどでできるので、おすすめです。日中の活動量が少ない日に縄跳び遊びでジャンプをすると、夜にぐっすり寝てくれますよ!(青木謙介)


<あおき・けんすけ>
 帯広大谷短期大学社会福祉科子ども福祉専攻准教授、保育士、日本スポーツ協会アスレティックトレーナー、鍼灸師、健康運動指導士。専門はスポーツ医学、幼児体育学、発育発達学。筑波大学大学院出身。環太平洋大学、聖カタリナ大学を経て2023年から現職。短大の仕事のほか、全国高校総体や国民スポーツ大会などにトレーナーとして帯同している。