英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然ｔｗｅｅｔ＠Ｄｅｖｏｎ（６７）「コントラストが奏でるイギリスの矛盾」

　Ａ　Ｈａｐｐｙ　Ｎｅｗ　Ｙｅａｒ！　１２月は「ひもじい子どもが４万人を超える！」とラジオでひっきりなしに流れ、“ＦＯＯＤＢＡＮＫ”という、支援団体が寄付（食料）を募ってクリスマスに子どもたちへ食べ物を提供する取り組みも大忙しだったよう。…驚くなかれ、その子たちには親がいます。片や、いい仕事（例えば教師）でも手取り給料が安いため、シングル家庭では生活が厳しく、満足な食事を与えられません。もう一方はそれとは真逆。無職で子だくさん、国の支援を受け生活している家庭の親は自炊もできないうえ、１箱１，０００円以上するタバコやお酒にお金を費やす。普段学校で無料の給食が食べられる子どもたちも、長期休暇に入るとおなかを空かせることに。

　“働き者”より“教養がなく無職”な人たちがぬくぬくと援助を受けるって、実に非合理的だと感じるのですが、この両極端な構造は実は皇室とパンクロックが共存するイギリスの皮肉の象徴なのかもしれません。英政府の迷走と国民の浅はかさに嫌気がさし、日本の国民力がいかに高いか（個人の見解ですが）を思い知ったコロナ禍。歴史に残る１年を無事に乗り越え、新しく希望に満ちた２０２１年の幕開けです。住めば住むほど困惑と矛盾、そして苦悩（笑）に翻弄（ほんろう）されている筆者ではありますが、新年もよろしくお願いいたします。

◆英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然ｔｗｅｅｔ＠Ｄｅｖｏｎ
幕別町出身、英国Ｄｅｖｏｎ在住のマリノ　みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Ｃｈａｉ」２０２１年１月号より。