十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

Chai探偵団(6)「タカノビールスタンド」

Mission
 昭和のビールが楽しめるお店があるらしい!その秘密を調査して!(50代・女性)

 無類のビール好きちゃんみ団員は、いてもたってもいられず話題の店に潜入した。

 今年の7月にオープンしたタカノビールスタンドでは昭和初期まで活躍していたサーバーの復刻版でビールを注ぐ。提供されているのはサッポロ黒ラベルのみ。驚きなのは、このサーバーと注ぎ手の技術によって、5通りの味を楽しめるということだ。

 円柱状のサーバーには、氷と直径9㎜、長さ25mのホースが円を描くように収まっている。現代のサーバーよりホースが太く、「スイングカラン」と呼ばれる特徴的な注ぎ口から一気にビールが流れ出ることで、注ぐ瞬間に絶妙に炭酸が抜け、まろやかな口当たりとビール本来の味を引き出している。しかし、扱いが難しく「安定して注げるまでに200ℓ以上失敗しました」と店主の髙野洋平さんは笑う。

 同店でまず試してほしいのがキリっと爽快な飲み心地の〈1度注ぎ〉750円。昭和のビアホールで提供されていた伝統的な注ぎ方だ。そのほか、麦の香りが引き立つ〈2度注ぎ〉や濃密な泡とマイルドな味わいの〈3度注ぎ〉などすべて飲み比べたくなる。十勝での伝統のビールの復活に胸を躍らせるちゃんみ団員であった。

ビールが大好きな髙野さんは東京で出合ったこのサーバーのビールにほれ込み、脱サラし開店を決意。「昨日よりもおいしいビールを」と意気込む

グラス内をクリーミーな泡で満たす〈ミルコ〉(写真中央)は牛乳のような口当たりの 新感覚ビール

カウンターはビールが注がれる瞬間を楽しめる特等席。ビールの「つぎ体験」900円も同店ならでは


<タカノビールスタンド>
帯広市西2条南10丁目20-4
Tel:090・9083・9303
営:16時~LAST 
休:日曜
InstagramID: takanobeerstand

◇今月はちゃんみ団員
探偵団の飲み会担当。新しいお店の開拓と仕事の後のビールをこよなく愛す。


Chai探偵団
十勝っ子の「?」を調査し紹介するChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2024年10月号より。
※撮影/平栗玲香。写真の無断転用は禁じます。