十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

酒場をめぐる冒険(7)「帯広住宅街の気になる店~さぶ、しずか野、すわ」

手前から〈あんかけ焼きそば〉950円、演歌歌手・小金沢昇司直伝の〈カリカリベーコンサラダ〉580円、〈納豆炒めレタス包み〉580円。納豆とひき肉の香ばしい匂いが食欲を誘う

中心部から少し離れて 帯広住宅街の気になる店
 ひっそり営業しているのに、にぎわいが絶えない居酒屋。勇気を出して扉を開けば、心地良いひとときが待っています。

ボリューム満点でコスパ最強!
飲み食い処 さぶ

 店主・吉田一成さんが義父母・片石祐一さん夫妻と共に店を切り盛りして今年で28周年。店内いたるところに並べられた常連客の名前付きのボトルが、長きにわたり客に愛されてきたことを証明する。

 どの料理を頼んでも満足するボリュームだが、中でもエビ、ツブ、ホタテなどの海鮮がゴロッと入った〈あんかけ焼きそば〉は、「1人前!?」と目を疑うほど。「お客さんにおなかいっぱいに食べてほしくて」と吉田さんの優しさがにじみ出る。大皿の料理を囲みながらみんなでシェアして食べるのも楽しい。

カウンター席や、宴会ができる広々としたスペースも。昭和の面影を残す店内には、80歳で現役ランナーのオーナー・片石さんのマラソンの賞状やメダルも飾られている

店主の吉田一成さん


帯広市西16条南5丁目22-28
Tel:0155・33・1443
営:18時~24時 
休:日曜



右上から時計回りに〈刺身盛り(2人前)〉1,100円、甘じょっぱい味噌が食欲をそそる〈なす田楽〉580円、特製ミートソースに仕上げの生クリームでまろやかさをプラスした〈ライスコロッケ〉660円


独創的な発想で作る 一ひねりある料理
しずか野

 和・洋・中と枠にとらわれない創作料理で客の胃袋をつかむしずか野。〈黒豆納豆のオムレツ〉や〈まぐろ茶漬け〉など、ひと手間加えたアレンジメニューはあれこれ頼みたくなる。

 ホテル出身の店主・遠藤勝弘さんがすすきの時代に考案した〈ライスコロッケ〉は、ケチャップライスで作る大玉コロッケの中に、とろけるチーズがたっぷり。花火の演出など店主の遊び心いっぱいな仕掛けに心が躍る。高知産の米ナスにオリジナル味噌を載せて焼いた〈なす田楽〉は、皮までとろっとろ。ごはんも酒も進む!

畳の小上がりは、昭和レトロな落ち着く空間。壁には、歴代取り扱ってきた日本酒のラベルを飾る

店は1日2~3組限定。訪れる際は必ず電話予約を


帯広市西17条南4丁目20-18
Tel:0155・33・1231
営:18時~22時30分(LO30分前)
休:月~水曜、不定



右から数量限定なので売り切れる日も多い〈ギョウザ〉650円、これを目当てに通う客も多い〈新鮮レバ焼き〉770円


和食も洋食も安定のおいしさ
お食事処・居酒屋 すわ

 60年もの間、近隣の住民に親しまれている店がすわ。大人は酒を楽しみ、子どもは揚げ物や丼でおなかを満たすなど、家族ぐるみで通う常連も多い。

 店を切り盛りするのが、三代目店主の諏訪秀寿さんと由美子さん夫婦。秀寿さんの自信作〈ギョウザ〉は、モッチリとした手作りの皮がポイントだ。長年の看板メニューとして不動の人気を誇る〈新鮮レバ焼き〉にも注目を。タレにくぐらせて味わえば、アルコールがグイグイ進む。「この店には外れがない」と話す常連客の言葉にも納得できる。

初めて訪れても落ち着ける居心地の良さ。壁に貼ったメニューを眺めているとあれこれ注文したくなる

右から諏訪秀寿さんと由美子さん。息の合った接客でもてなしてくれる


帯広市西9条南12丁目1-5
Tel:0155・22・2690
営:17時~23時(日曜、祝日は~22時) 
休:月曜

※フリーマガジン「Chai」2024年6月号より。
※撮影/平栗玲香。写真の無断転用は禁じます。