十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

ぼくの新店めぐり~茶殻までおいしく 和を楽しむ甘味処「和茶カフェ156」

 帯広市内の振り袖専門店「花いち都屋帯広店」内に11月、日本茶を中心に和菓子などを提供する甘味処「和茶カフェ156(イコロ)」がオープンした。運営する都屋総本店(札幌)の山越秀博会長は「落ち着いた空間でゆったりとした時間を過ごしてもらえたら」と、店舗を移転した2年前から考えていたカフェの開店に心弾ませる。

控えめな甘さが日本茶と調和する「わらび餅セット」(900円)


豊かな楽しみ、茶殻まで
 店の特徴は甘味を楽しんだ後に提供される2煎目のお茶と、カツオ節とあえて食べる茶殻だ。甘味を食べ終える頃に湯冷ましとともに砂時計が提供され、お茶が出るまでの1分半の待ち時間を一つの楽しみとしている。

 湯飲みに最後の一滴を注いだ後、急須から取り出した茶殻とカツオ節を、備えられたポン酢であえる。ほろ苦くも淡泊な茶殻は、青菜のおひたしのような味わいとなり、やや甘みが残るあっさりした2煎目のお茶との相性が良い。

 「ここで1杯味わってもらえたら、きっとご家庭でいただくお茶をもっと楽しめるはず」と浜田恵子マネジャー。

急須から取り出した茶殻とカツオ節をあえる


こだわりの食材で提供
 提供するお茶によって温度や抽出時間を変え、それぞれの茶葉のおいしさを最大限に引き出すという。一般には塩味の後に甘味を味わうのが主流だが、「少し変わった楽しみ方を提供できれば」と浜田マネジャー。

 提供する食材にもこだわり、日本茶はオーガニックを中心として、あんこもオーガニック食材で作られる。小豆は十勝産100パーセント、白玉は自家製を提供するほか、トッピングされるアイスは音更町に昨年オープンしたル グラシエ(はるこまベーカリー内)から仕入れる。

色の薄い2煎目のお茶。違いを感じるのも面白い


豊かな生活をあなたに
 都屋は振り袖や和服のレンタル・販売、フォトスタジオも備え「晴れの日」の需要に応えるほか、「女性に精神的な豊かさを提供したい」として美容室やヘッドスパも備える。ラクジュアリ ライフ(豊かな生活)をコンセプトとした店内に、味覚の豊かさが加わった。

 店名の156(イコロ)はアイヌ語で「宝物」を意味する。「十勝の人にとって宝物のような場所になれば―」

 寒い冬、和を楽しむ日本茶カフェに足を運んでみては?

店内は席と席の間をゆったりと取り、くつろげる設計になっている


<和茶cafe 156(イコロ)>
帯広市西19条南2ノ25(花いち都屋内)、午前10時~午後5時半、水曜定休、電話0155・66・5075。24席。