英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然ｔｗｅｅｔ＠Ｄｅｖｏｎ（３７)「緑に囲まれる散歩道で出合うもの」

　“Get some fresh air, shall we?” と、何かにつけて歩きに誘うイギリス人。夏でも冬みたいな天気だったり、春なのに猛暑日が続いたり、いずれにしてもお天道様のご機嫌うかがいが身に付いている国民たちは、雨が降っていないとすぐ “Public Foot Path=公共のお散歩道” へ出掛けます。

　このフットパスがくせもので（笑）。放牧されている牛がお昼寝している真ん中にあったり、羊の群れを横目に歩く角度に伸びていたりするので、慣れるまではまるでおりのない動物園のよう。放し飼いの牛たちは、人間に気付くとジロリとにらみ（?）近付いてくるのです! 当時はひそかにおびえながら歩いていました…。友人から、牛たちがいかに好奇心旺盛であるかを聞いてひと安心と同時に、闘牛でもないのに牛の目を気にしておどおど歩いていた自分たち家族を思い出すと笑えますね。逆に羊たちは、人間から遠ざかり、離れたところからジィーっと人間の動向をうかがいます。

　十勝と同じ農業が盛んなDevonでのウオーキングは、なだらかな丘をくぐり抜け、ときどき牛や羊と遭遇し、ちょっと青ざめて冷や汗をかくうえに、動物たちの“ふん”を踏みしめるという、いわばちょっとしたサバイバルゲームです。

◆英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon
幕別町出身、英国Devon在住のマリノ みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2018年7月号より。
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