十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

おびひろ老舗湯めぐり(1)「ローマの泉、ローマノ福の湯」

源泉がそのまま湯船に注がれ、常にあふれ出ている(写真はローマノ福の湯)

毎日のように訪れる常連客、地域の憩いの場
 帯広市東9条南12丁目の西北の角に2軒の温泉が建つ。「ローマの泉」と「ローマノ福の湯」。昭和40年代後半にオープンしたサウナと家族風呂の「ローマの泉」は当初、沸かし湯だった。1980(昭和55)年1月に敷地内で温泉掘削を開始。半年後の同年7月、深さ1200mでモール温泉が湧出した。泉質は硫黄泉に近い「アルカリ性単純温泉」。ローマの泉を温泉に切り替えても湧出量が豊富だったことから、翌年 81(昭和56)年に大衆風呂「ローマノ福の湯」が誕生した。

建物は隣り合っているが別々。左が「福の湯」、右が家族風呂「ローマの泉」の入り口(ローマの泉は、建物西側にも入り口がある)


 加温もせず、水も加えていない源泉掛け流し。ゆえに日によって、温泉の温度や色が変わったりするという。ローマの泉、福の湯ともに、開店時間前には、入り口に常連さんの姿がある。近所のお年寄りが毎日のように訪れ、温泉に入り、従業員と世間話を楽しんで帰っていく。地域の憩いの場になっている。

公衆浴場の「ローマノ福の湯」には今も番台がある


 開業して約40年の間に2度、長期休業したことがあった。源泉に大量の砂が混じり、原因調査・復旧のためだった。その間、「いつ再開するのか」との問い合わせが相次いだ。社長の佐藤栄治さんは「ここの温泉に入ることを多くの人が待っていてくれるのだと、ひしひしと感じました。温泉が出る限り続けていきます」と話していた。

ローマの泉で温泉が出たことを伝える1980(昭和55)年8月26日の十勝毎日新聞社


<ローマの泉> 
帯広市東9条南12丁目
Tel:0155・25・5202 
営:11時~ 24時 
休:第2水曜(1月、8月、12月は休みなし)
料:家族風呂(1時間)・大人600円、小学生270円、幼児(未就学児)110円
サウナ付き家族風呂(1時間)・1室1,900円(タオル・バスタオル2組、シャンプー、ボディーソープ備え付け)
※ともに30分延長サービス(日曜・祝日、お盆期間、年末年始を除く)

<ローマノ福の湯> 
帯広市東9条南12丁目
Tel:0155・22・0456 
営:11時~ 23時 
休:第2水曜(1月、8月、12月は休みなし)
料:大人440円、子ども(小学生)140円、幼児(未就学児)70円


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【特集】おびひろ老舗湯めぐり
帯広市内には、気軽に行ける老舗の温泉が多くあります。ゴールデンウイークは、近場で楽しむもよし、ドライブの疲れを癒やすもよし。心も体もホッとさせませんか?

※フリーマガジン「Chai」2018年5月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。